口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物(VSC)」について、その種類やにおいの特徴について解説します。
揮発性硫黄化合物(VSC)とは
揮発性硫黄化合物(Volatile Sulfur Compounds, VSC)は、口臭の主要な原因物質の一つです。VSCは、口腔内の細菌によるタンパク質の分解過程で生成されるガス状の化合物であり、特に悪臭が強いものが口臭を引き起こします。主なVSCには以下の3種類があります。
水素硫化物(Hydrogen sulfide, H2S)
卵の腐敗臭に似た悪臭が特徴的な物質です。水素硫化物は、口腔内の細菌が含硫アミノ酸(システインやメチオニンなど)を分解する際に生成されます。
メチルメルカプタン(Methyl mercaptan, CH3SH)
生ゴミのような刺激臭が特徴的な物質です。メチルメルカプタンは、細菌がメチオニンを分解する過程で生成されます。
ディメチルサルファイド(Dimethyl sulfide, DMS)
キャベツの腐敗臭に似た臭いが特徴的な物質です。ディメチルサルファイドは、細菌が含硫アミノ酸を分解する際に生成されることがあります。
揮発性硫黄化合物(VSC)はどこで発生するか
口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物(VSC)」は、口腔内のプラーク(歯垢)、舌苔、歯周ポケットなどに存在する細菌が、食物残渣や唾液中のタンパク質を分解することで生成されます。VSCの生成が増加すると、口臭が悪化することが一般的です。
口臭対策としては、VSCの生成を抑えることが重要です。これには、適切な口腔ケア(歯磨き、舌苔の除去、歯間清掃)、口腔内の乾燥防止、定期的な歯科検診が効果的です。また、口臭専用の歯磨き粉や口腔ケア製品を使用することで、VSCの除去や生成抑制に役立つことがあります。