歯周病と虫歯は、口腔内で発生する一般的な病気ですが、その原因や症状には違いがあります。この記事では、歯周病の概要と虫歯との違いについて解説し、さらに歯周病の症状やリスクについて詳しく説明します。歯周病は進行すると歯の喪失につながることがあり、全身の健康にも影響を与える可能性があります。適切な情報を身につけて、早期発見・早期治療を心がけ、健康な口内環境を維持するための知識を深めましょう。
歯周病とは
歯周病は、歯を支えている歯茎(はぐき)や骨が痛んだり、だんだん無くなってしまう病気です。この病気が進むと、歯がグラグラになったり、最悪の場合は歯が抜けてしまうことがあります。
歯周病の原因は、口の中にたくさんいる細菌です。毎日の歯磨きを怠ると、歯にプラークと呼ばれる細菌の塊がたまり、それが硬くなって歯石になります。歯石ができると、歯茎が赤く腫れたり、出血したりすることがあります。
歯周病はだいたい2つの段階があります。最初の段階は「歯茎炎」と呼ばれ、歯茎が腫れて出血しやすくなります。この段階では、ちゃんと歯磨きをすることで治すことができます。
しかし、放っておくと次の段階の「歯周炎」になってしまいます。歯周炎では、歯茎だけでなく、歯を支える骨が徐々に無くなっていきます。この状態が進行すると、歯が抜ける危険が高まります。
歯周病を防ぐためには、毎日の歯磨きやフロッシング、定期的な歯医者さんの検診が大切です。これらの習慣を身につけて、歯周病にならないように気をつけましょう。
歯周病の症状とリスク
歯周病の初期段階は銀歯炎で、歯茎が赤く腫れたり、出血しやすくなります。進行すると歯周炎になり、歯周ポケットの深まりや歯槽骨の喪失が起こり、歯がグラグラになることがあります。
歯周病のリスクには、不適切な口腔衛生、喫煙、糖尿病、遺伝、ストレス、ホルモンの変化などがあります。また、歯周病は心臓病や脳卒中、糖尿病の悪化、妊娠中の早産や低体重児出産のリスクなど、全身の健康にも影響を与えることが分かっています。
虫歯とは?
虫歯は、歯の硬組織(エナメル質、象牙質)が細菌による酸の攻撃を受けて溶解し、損傷する病気です。虫歯は、初期のエナメル質の溶解から始まり、進行すると象牙質へと侵入し、最終的には神経や根の部分まで到達することがあります。虫歯が進行すると、疼痛や感染、歯の喪失などの問題が生じます。
歯周病と虫歯の違い
歯周病と虫歯は、口腔内で最も一般的な問題の2つであり、どちらも細菌の繁殖やプラークの蓄積に関連していますが、原因や進行の仕方、影響する部位に違いがあります。それにもかかわらず、これらの疾患は相互に影響を与えることがあります。
歯周病は、歯茎や歯を支える骨、歯槽膜などの周囲組織の炎症や感染によって進行する病気です。これは、プラークや歯石によって引き起こされる細菌感染によるもので、最初は銀歯炎(gingivitis)として始まりますが、治療が遅れると歯周病(periodontitis)へ進行し、最悪の場合歯の喪失につながります。
一方、虫歯は、歯の表面に蓄積したプラーク内の細菌が糖分を代謝し、酸を産生することで歯のエナメル質が溶かされ、穴が開く病気です。虫歯は、主にエナメル質、象牙質、そして歯髄に影響を与え、痛みや感染の原因となります。